ITの世界では、技術の進歩が非常に早いため「若くてバイタリティのある人のほうが、年齢を重ねたプログラマより優遇される」「35歳を超えると、体力・気力共に落ちて来るので、プログラマとして働くことが難しくなる」という説がありました。
これを「プログラマ35歳定年説」と呼びます。
ただ、現在ではこの説には否定的な見方が強くなっています。

確かに「指示された通りに、プログラムを組む」というだけの作業ならば、25歳の人が行っても、40歳の人が行っても、結果は同じかもしれません。
40歳になると、体力が衰えますし、視力なども落ちてくるかもしれませんので、むしろスピードそのものは遅くなる可能性すらあります。
ただ、何かトラブルが起こった時に、素早く対処できるのは、新人よりも経験を積んだ人である場合が多いのです。
また、年齢を重ねれば重ねるほど、気力・体力が充実してくる人もいるので、決して「若者のほうが新技術に精通している」とばかりは言えません。

ただ、企業にとっては「同じ作業をさせるならば、給料の低い若者に担当させ、熟練のプログラマにはSEとしてシステム全体の管理を行ってほしい」「これまでに培った人脈などを活かして、営業を担当してほしい」といった、異動を促されるということはあります。

これは、決してプログラマとしての能力を否定されたわけではありません。
しかし「マネジメントや営業などが、どうしても苦手」という人がいるのは事実です。
その時に「合わないなりにも、この会社が好きだから頑張ろう」という人、「どうしても営業などが苦手」として転職をする人、などに道は分かれていきます。