プログラマの能力格差問題という言葉には、実は様々な意味合いが含まれているので、一言で「これが問題」と表すことができません。
もちろん、一番の問題は「プログラマごとに、プログラミング能力が異なる」ということなのですが、それ以外にも様々な「能力格差」の問題が含まれます。

まず人によってプログラミング能力が違うことが、どういう問題につながるかというと「能率よく仕事を仕上げる人ほど、残業をしない。結果的に残業代がもらえないため、仕事の速い人ほど収入が少なくなる」というケースがあります。
これでは、能率よく仕事を仕上げられる人のモチベーションが維持できなくなります。

また、プログラマを使う企業が、契約を結ぶ際に納品までの期間や費用を計算するにあたって「人月計算」が行われます。
この計算方法は「複数のプログラマの能力が同等である」という前提で計算がされます。
しかし、入社したばかりのプログラマと、何年もプログラミング作業に従事しているプログラマでは、仕事のスピードが大きく異なるものです。
これをひとくくりにして計算をすると、予定通りに仕事が進まず、新人の作業をフォローするために、熟練の作業者に負担がかかってしまうということも、考えられます。

年齢を兼ねるにつれ、プログラマにもマネジメント業務が増えていきます。
その時には、コミュニケーション能力やリーダーシップを求められます。
これらの能力が高い人ほど、より良い環境からヘッドハンティングなどがあって、転職していくというケースもあります。